矢作川研究所日記

2022/09/29

学会(ELR2022つくば)に参加してきました

9/20~9/23(9/20はエクスカーション)の日程で、つくば国際会議場において開催された学会「ELR2022つくば」に参加してきました。ELRとは、応用生態工学会、日本景観生態学会、日本緑化工学会の英語表記の頭文字を取ったもので、4年ごとに行われる三学会合同大会のことです。対面形式を含む学会開催(WEB形式とのハイブリッド開催)は久々でした。研究所からは、内田さん、吉橋さん、小野田の三名が参加しました。

私は久々の(対面での)口頭発表ということに加え、発表順が最終日の最後(9/23の12:15-30)だったこともあり、(普段以上に)最後まで「緊張感」を持って学会参加することができました。口頭発表では、矢作川中流の「ソジバ」での巨石投入実験を活用したアユの採餌場所の選択要因についての研究成果を紹介しました。発表後には、結果の一般性や今後の調査アイデアなどについて討議することができ、有意義な時間を過ごすことができました。ランチタイムにもかかわらず、熱心に聴いて頂いた聴衆の皆さんには、感謝しかありません。

三学会合同大会だったので、他学会の研究内容にも触れることができました。たとえば、外来種のセッションでは身近なススキにも近縁な外来植物との競合関係があるという研究発表があり、新鮮な印象をもって聴講しました。一方で、対象生物や着眼点は異なっても、研究デザインなどは共通部分があるなあと感じました。ポスター会場でも、多様な研究内容が並び興味深く見ました。お目当ての研究発表だけでなく、その近くにあるポスターを見ながら関連研究についての情報収集を効率的にできる面白さがあるなと思いました(ウェブショッピングではなく、本屋で実物を見て書籍を購入する時の楽しさに似ている気がしました)。
現地参加だったので、かつての職場の同僚や研究仲間とも会えました。矢作川研究所に所属が変わったばかりなので、名刺を渡しつつ近況を報告するなど「ロビー活動」も行うことができました。ちょっとした雑談から、新たな研究アイデアや共同研究の話に発展することもあり、これこそ学会の醍醐味だと感じました。やっぱり、対面式の学会は良いですね。
(小野田幸生)


三学会のメンバーが揃った公開シンポジウムのパネルディスカッション


ポスター発表会場の様子



2022/08/04

外来種ツヤハダゴマダラカミキリの調査を行いました。

 ツヤハダゴマダラカミキリは中国~朝鮮半島が原産のカミキリムシで、アメリカやヨーロッパなどに分布を拡大しており、「世界の侵略的外来種ワースト100」に選出されています。日本では、2002年に神奈川県で発見されて以降、兵庫県や愛知県など8県で確認されており、街路樹のアキニレなどで多発しています。本種は在来種のゴマダラカミキリよりも高い場所に産卵する傾向があり、幼虫は幹に食い入って木を枯らすことから、折れた幹や枝の落下による人的被害が懸念されています。
 豊田市内では、国道248号沿いに植えられた街路樹のアキニレで2021年に発見されていることから、他の場所にも分布していないか把握するため、矢作川河川敷のヤナギを対象に調査を行っています。この日は、職場体験でやってきた足助中学校2年生の生徒とともに、荒井公園の川沿いで調査しました(写真左)。7本のヤナギのうち5本で15個体の本種成虫が見つかり、多数の産卵痕(産卵のために幹をかじったあと)も確認されました(写真右)。一方、在来種のゴマダラカミキリは1個体も確認できませんでした。本種は在来種と非常によく似ていることから、気づかないうちに在来種から外来種へ置き換わっているのかもしれません。今後、矢作川沿いの公園や河川敷でも調査を行い、分布の状況を明らかにしていきたいと考えています。(浜崎健児)


写真左:ヤナギの幹や枝先に成虫がいないか探している様子。黒い棒は枝先の成虫を叩き落とすための長竿。写真右:幹を歩くツヤハダゴマダラカミキリ。矢印の先にある黒く丸い部分が産卵痕。



2022/07/31

広沢川で川遊び!(ふるさとの川づくり事業)

猿投町を流れる広沢川で、地域の親子を対象にした川遊び体験会「広沢川で川遊び!」が行われました。

広沢川は「ふるさとの川づくり事業」の対象河川で、土砂が溜まりにくく、生き物がすみやすく、親子が遊びやすい小川として再生・維持することを目指しています。

この川遊び体験会は、その一環として、ふるさとの川づくり事業に研究所と共に取り組んでいる猿投町まちづくり協議会によって主催され、猿投自治区が共催、猿投町子供会が協力して開催されました。

実は、広沢川での川遊び体験会の企画は一昨年、昨年とあったのですが、新型コロナウィルスの流行により中止になっていました。3度目の企画で実現した今年は、地域の皆さんの想いが盛り込まれた「広沢川の未来希望図」が完成しており、丸子橋付近では溜まった土砂を減らす工事と多自然の川づくり(石組み)が既に実施されているため、今回の川遊び体験会は川を知っていただくいいチャンスとなりました。

40人を超える親子の皆さんは、「丸子橋」付近では笹船を流して、石組みによって多様になった流れを確認しました。川に降りやすい「めがね橋(畑中橋)」付近ではタモ網を使ってガサガサをして生き物を探しました。
広沢川で親子の皆さんが生き生きと遊ぶ姿をまちづくり協議会の方々が見守っていました。

その後、みんなで捕まえたホトケドジョウ、カワムツ、ヤゴ(オニヤンマやコオニヤンマ、ダビドサナエなど)、ナベブタムシなどを水槽やトレーに移し、「広沢川水族館」ができました。子どもたちは熱心に研究員の解説を聞いていました。

アンケートでは、「楽しかった」「水深が浅くて安心して子どもと遊ぶことができた」「いろんな生き物がいること、意外と遊びやすいことを知った」などの回答がありました。

真夏の日差しが降り注ぐ中でしたが、川づくりによって変化しつつある広沢川を存分に体感していただけた時間になったと思います。

ふるさとの川づくり事業の今後の予定として、川づくり学習会の2回目が、10月に行われる予定です。
(1回目の様子はこちらです↓)
広沢川で川づくり学習会 (第1回の様子)






2022/07/01

矢作川 糸状緑藻の流程分布調査

まだ6月というのに連日の猛暑です。今年も矢作川の上流から中流にかけて糸状緑藻の流程分布調査を進めていて、今日は葵大橋に出かけました。分布調査は、流れ幅×流れ方向100~200 mの範囲にメッシュポイントを設定し、各ポイントの川底1m×1mを直接目視し、生育の有無を確認します。
この日は、私がこれまでに経験した6月の野外調査で最も暑いと感じた日でした。調査が終わる頃、期末テストが終わって開放感でいっぱいの学生さん、川で沐浴するワンちゃんと三々五々、涼を求めに集まってきました。


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2022/06/09

大河原水辺愛護会がマダケの幼竹活用を行いました

大河原水辺愛護会が、マダケの幼竹活用としてメンマ作りと料理を行いました。

水辺愛護会は川への親水性の確保や、景観改善のために密生した竹を間伐したり、草刈り、ごみ拾いなどの整備活動を行っている団体です。整備活動だけではなく、「時には幼竹を食材として利用し、川辺の恵みも楽しみませんか」との研究所が呼びかけに、昨年度から大河原水辺愛護会が応じて下さり、昨年に引き続いて幼竹活用の会が開催されました。

朝8時、同会から7人、見学に来てくださった枝下町矢作川水辺愛護会4人、研究所員2人の合計13人が集まり、まずは活動地へ。50~70センチほどに伸びた幼竹の根元に鎌を入れて収穫し、トラックの荷台に積んでいきます。幼竹に包丁で縦に筋をいれ、皮をむいてから調理室へ。
包丁がサクッと入らない固い部分を除けて、節を抜き、短冊状にきった幼竹を20分ほど茹でました(穂先はもう少し短時間で茹であがります)。茹でた幼竹はメンマづくりと料理に使われました。

メンマ用の幼竹は三つに分けて、それぞれビニール袋をしいた樽に入れ、重石を載せました。樽の一つには30%の塩、他の二つには23%の塩をまぶしました。蔵で2週間程度発酵させてから、干して、乾燥メンマの完成となります。

料理用の幼竹は茹でた状態で完成ですが、試食用に,一部を大河原水辺愛護会の皆さんがごま油で炒め、お酒、砂糖、醤油、オイスターソースや豆板醤、唐辛子などで味付けしてくださいました。一口食べて「おいしい!」と笑顔になるような、大変美味しいおかずになりました。

見学に来てくださった枝下町矢作川水辺愛護会の皆さんも一緒に作業をしてくださいました。調理中も、試食中も、お互いの愛護会や地域の話題、川の話題で盛り上がり、交流の時間としても有意義でした。