矢作川研究所日記

2018/09/13

ふるさとの川づくり 小学生が秋の川学習

(9月13日・9月14日)
 地元住民との共働で「ふるさとの川づくり」を進めている岩本川で、平井小学校2年生と1年生が川の体験学習を行いました。2年生は2度目、1年生は初めてですが、夏休み前に2年生から岩本川の生き物のこと、遊び方のことなどを授業で教えてもらっています。
 子どもたちの地域での自然体験を大切にする先生方と事前に学習内容を相談した上で、今回も岩本川創遊会と矢作川研究所が講師を担いました。岩本川創遊会はこの日のために直前にも草刈りをしたそうです。保護者の方々も見守りのため参加してくださいました。




 今回の学習では、川幅が狭いところと広いところの境目にコーンを置きました。また、箱めがねも用意しました。川の多様な環境に注目してもらい、川幅が違うと水の流れの速さはどう変わるのかな、川底はどうなっているのかな、そんなことを感じてもらえたらと企画しました。



 2年生と1年生は混成のグループで活動し、1年生は2年生にガサガサなどを教えてもらいながら川学習をしていました。岩本川創遊会のメンバーも我が子と同世代の子どもたちにいろいろなことを伝えていました。




 岩本川での学習の後は、教室に戻って「ハカセ」の講義です。
 水深の違いや流れの速さの違い、川底の様子と生き物たちの関係を、水中撮影した動画も交えて紹介し、岩本川にはいろいろな環境があることを学んでもらいました。単調な川では生き物はすみにくいものですが、岩本川創遊会と市の共働による川づくりでいろいろな環境ができているのです。
 どんなところでどんな生き物が捕れたか、ハカセが尋ねると子どもたちからはすぐ答えが返ってきました。



 熱心な質疑応答の後、子どもたちは岩本川で捕れた生き物の水槽をのぞき込んで、
さらに観察を続けていました。
 岩本川創遊会の会員も、子どもたちにアメリカザリガニの持ち方を説明するなどして交流しました。




2018/09/06

枝下用水のカワヒバリガイ




矢作川中流の越戸ダムから取水している「枝下用水」は豊田市南西部を灌漑する農業用水です。
この日、大雨に備えて、数日前から断水していた用水路に「外来生物カワヒバリガイが大量に付いている」との情報を豊田土地改良区資料室より頂き、早速、研究員3人で出かけました。


壁面に付着したカワヒバリガイ




今回、確認した場所は枝下用水の上流端となる約500 m程の区間でしたが、用水の壁面には底から10 cmぐらいの幅で、カワヒバリガイが2重にも3重にも折り重なって付着していました。全長10 mm前後の貝がほとんどで、昨年の夏に生まれた貝のようです。また用水の底にもびっしりカワヒバリガイがくっついていて、足裏に殻のゴツゴツした感覚が伝わってきました。


用水の底に点在する黒い塊がカワヒバリガイ


底に付いたカワヒバリガイの様子




壁面の形状が複雑になった場所では、水の流れがゆるやかになるためか、より多くのカワヒバリガイが壁面や溝部分に付着していました。


凸凹した壁面にはよりたくさんのカワヒバリガイがくっつきます




カワヒバリガイは最大4 cm程になる2枚貝で、特定外来生物に指定されています。矢作川では2004年にカワヒバリガイが発見され、2006年に中流部で大量発生・大量死が起こりました。
現在、矢作川本川では矢作ダムのダム湖から下流は米津大橋の周辺までの区間で、「レギュラー」として定着しており、コンクリートの壁面や川底の石をひっくり返すとくっついているのが見られます。