矢作川研究所日記

2020/07/29

講師派遣も密を避けて


愛知県の高校生環境学習推進事業「あいちの未来クリエイト部」から講師派遣の依頼を受けて、今年度この事業に採択された豊田高等学校で魚類調査のお話しをしてきました。
写真のように、隣の人と距離を空けて、マスクを着用し、窓を開けて・・・
対面形式での講演という条件下で、高校のほうでも考えられる対策を行ってくださっていました。
ひと昔前なら違和感のある光景だったかもしれませんが、現在では見慣れた光景になってきました。

この日は前日の雨で川が増水していたため、予定していた川での現地指導ができませんでした。
しかし、コロナ対応として矢作川研究所がちょうど作成中だった「(仮)ガサガサ紹介ビデオ」で、胴長の履き方やタモ網の使い方を紹介しました。
こうした内容は、実際に体験しないと理解してもらえないと思い込んでいましたが、
ビデオのおかげで調査の方法について具体的にイメージしてもらえたようでした。

この件とは別に講師派遣依頼を受けている学校では、
夏の暑い時期に行う授業に向けて、先生たちが川を歩いたり、魚を捕ったりする様子を事前にビデオに収めておいて、それを校内で子どもたちに見てもらい、身近な川について学んでもらうことを考えている所もあります。

コロナ、熱中症、水難事故など、様々なことに気を付ける必要がある中で、
川の学習をどのように行っていけるのか考える機会となりました。



2020/07/28

稚アユ遡上数は昨年の2倍を超えました


明治用水頭首工における遡上調査が6月末で終了しました。調査は2〜4日に1回の頻度で実施したので、調査を実施していない日はその前後の値の平均値で補完して集計した結果、のべ110万尾のアユが遡上したと推定されました。過去10年の中では6番目の遡上数ですが、昨年(45万尾)と比べると2倍以上の遡上数となりました。



アユがいると鳥も集まる


明治用水頭首工の約10km上流にある越戸ダム魚道でも同様の方法で調査をおこなった結果、6月下旬までの間でのべ25万尾の遡上を観測しました。明治用水頭首工で遡上したアユの数の約23%が越戸ダムを遡上したことになります。

昨年は遡上数が少なかったこともあり、中流で調べたアユの生息密度が大変に低かったのですが、今年は多くのアユの泳ぐ姿が見られることを期待しています。


左岸側では耐震工事が実施


増水が続く矢作川中流(源氏の瀬付近)