セミナーを開催しました (角 哲也 氏, 萱場 祐一 氏,浅見 和弘 氏)

2015/11/04

矢作川のダム下流の河川環境回復を目指したプロジェクトの一環で、3名の専門家をお招きし、下の通りセミナーを開催しました。

第1回「ダム下流環境改善のための総合土砂管理」京都大学防災研究所 角 哲也 氏(2015/6/30)
第2回「ダム下流における生物相の変化と砂供給が河川環境に及ぼす影響の評価」土木研究所自然共生センター 萱場 祐一 氏(2015/10/15)
第3回「ダム下流のフラッシュ放流・土砂還元による環境改善〔事例紹介〕について」応用地質株式会社 浅見 和弘 氏(2015/11/4)

ここで少しだけセミナーの内容をご紹介します。ダム下流において河川環境の変化を最小限に抑え、自然河川に少しでも近づけるために、「流れの回復」として維持流量の放流や増量、フラッシュ放流など、「流砂の回復」として土砂還元や排砂バイパスの建造などが進められているそうです。矢作川で比較的、短期間に取り組むことができる方法はフラッシュ放流や矢作ダムに貯まってしまった砂をダム下流に置く土砂還元になります。ただ、これらの方法も事前の準備が不可欠で、例えば砂州の復活を目的とするならば、先に樹林化してしまった河畔や中洲の木を伐採し、地表面が洗われやすくしておくことが必要だそうです。加えて、対策の効果を把握するためのモニタリングも重要で、その手法についてもマニュアル化が進められているとのことです。これまで日本全国で行われた事例では付着藻類などの剥離を目的としたフラッシュ放流、魚類の生息環境改善や河床低下の抑制を目的とした土砂還元などがあるそうです。矢作川も、まずはどこをどう改善したいのか明確な目標設定を行い、方法を検討して進めていきたいと思います。(白金晶子)



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