逢妻女川と逢妻男川でミシシッピアカミミガメの捕獲調査を行いました

2016/10/07

ミシシッピアカミミガメ(以下、アカミミガメと記す)は、1950年代から「ミドリガメ」として販売されており、飼育されている方も多いと思います。実はこのカメ、アメリカ中南部が原産で、もともと日本にはいなかった外来種なんです。環境省によると、野外に逃げ出して定着したアカミミガメが全国に約800万匹もいると推定されています。

アカミミガメは、食欲旺盛で池の水草を食べ尽くしたり、在来のニホンイシガメの生息場所を奪ったりすることが分かってきており、在来の生態系に悪い影響を及ぼすことが心配されています。環境省はこの問題の解決に向けて、2016年より「アカミミガメ対策推進プロジェクト」を開始しました。豊田市矢作川研究所はこのプロジェクトに加わり、豊田市内の逢妻女川と逢妻男川において、自治体(官)・専門家(学)・市民(民)の共働によるアカミミガメの防除体制づくりに取り組んでいます。

今年は、市民ボランティア団体である逢妻女川の「逢妻女川を考える会」と逢妻男川の「初音川ビオトープ愛護会」にご協力いただき、愛知学泉大学の矢部研究室とともに、逢妻女川と逢妻男川のそれぞれ約2kmの区間で試行的に捕獲調査を行いました。10月7日~9日の3日間、それぞれの区間の9~10ヵ所に魚の頭を餌とする籠わなを仕掛けてカメを捕獲しました。

調査には、逢妻女川と逢妻男川で合わせて16名の地域住民の方々にご参加いただき、籠わなの設置やカメの回収、餌の補給などの作業を共働で行いました。これにより、アカミミガメ148個体、ニホンスッポン30個体、ニホンイシガメ14個体、クサガメ1個体を捕獲することができました。ニホンイシガメなどの在来種の生息が確認されたものの、捕獲したカメの77%はアカミミガメという結果になり、豊田市でもアカミミガメが増殖している実態が明らかになりました。

今後は、広域での一斉防除に向けて、アカミミガメ防除の必要性や具体的な作業の内容について流域の自治区ごとに説明会を行い、民・官・学の共働による防除体制づくりを進めることにしています。(浜崎健児)



                逢妻男川での調査の様子


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