枝下用水のカワヒバリガイ

2018/09/06




矢作川中流の越戸ダムから取水している「枝下用水」は豊田市南西部を灌漑する農業用水です。
この日、大雨に備えて、数日前から断水していた用水路に「外来生物カワヒバリガイが大量に付いている」との情報を豊田土地改良区資料室より頂き、早速、研究員3人で出かけました。


壁面に付着したカワヒバリガイ




今回、確認した場所は枝下用水の上流端となる約500 m程の区間でしたが、用水の壁面には底から10 cmぐらいの幅で、カワヒバリガイが2重にも3重にも折り重なって付着していました。全長10 mm前後の貝がほとんどで、昨年の夏に生まれた貝のようです。また用水の底にもびっしりカワヒバリガイがくっついていて、足裏に殻のゴツゴツした感覚が伝わってきました。


用水の底に点在する黒い塊がカワヒバリガイ


底に付いたカワヒバリガイの様子




壁面の形状が複雑になった場所では、水の流れがゆるやかになるためか、より多くのカワヒバリガイが壁面や溝部分に付着していました。


凸凹した壁面にはよりたくさんのカワヒバリガイがくっつきます




カワヒバリガイは最大4 cm程になる2枚貝で、特定外来生物に指定されています。矢作川では2004年にカワヒバリガイが発見され、2006年に中流部で大量発生・大量死が起こりました。
現在、矢作川本川では矢作ダムのダム湖から下流は米津大橋の周辺までの区間で、「レギュラー」として定着しており、コンクリートの壁面や川底の石をひっくり返すとくっついているのが見られます。


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