No.172 ハタケチャダイゴケ

猿投台地区の水辺愛護会の皆さんが散策路に敷いた竹チップの上を歩いていたら、足下に何やら奇妙な物体を見つけました。形も大きさもどんぐりの殻斗(かくと・お椀状の部分)のような物が、びっしりと並んでいるのです。これは何でしょう?
研究所に帰って調べたところ、ハタケチャダイゴケというキノコでした。もみ殻や古畳など、植物遺体の上に群生する腐生菌です。お椀の中には小塊粒という小さな粒が入っていて、その中には胞子がつまっています。この小塊粒が碁石によく似ているので、まるで小さな碁石入れのように見えるのです。小さなキノコに、自然の造形の不思議さを感じました。
(洲崎燈子)


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