No.88 ヘクソカズラ

アカネ科の多年草で、草地や林縁に普通に見られます。何とも気の毒な和名は、葉や茎をもむといやな臭いがすることによるものです。しかし花はこのようになかなか可憐で、花の中心をお灸のあとに見立てた灸花(ヤイトバナ)の別名があります。万葉集にこんな句があります。
さう莢(けふ)に延(は)ひおほとれる屎葛(くそかづら)絶ゆることなく宮仕へせむ(高宮王)
マメ科の木にからみつくヘクソカズラのように、ずっと宮仕えしていたいものです、という意味のようです。面白いですね。


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