No.135 ウリカエデ(カエデ属)

紅葉狩りのシーズンが近づいてきました。紅葉の代名詞といえば、イロハモミジに代表されるモミジ類を含むカエデ属の仲間たちです。カエデ属は葉が分裂する種が多いイメージですが、ウリカエデは分裂しないか、浅く3裂するのが特徴です。樹皮がウリに似ていることからこの名が付きました。林縁など明るい環境を好みます。
カエデ属は紅葉の美しさもさることながら、材が家具や楽器、工芸品、野球のバットを作るのに用いられたり、樹皮や樹液が鎮痛剤や皮膚炎の薬として使われてきた有用種を多く含んでいます。甘く栄養価の高い樹液、メープルシロップが採れるサトウカエデはカナダの国旗にデザインされています。この属は以前はカエデ科の中にありましたが、葉緑体DNAの解析に基づいた新しい植物の分類体系であるAPG分類体系ではムクロジ科になりました。
葉が紅葉するメカニズムについては、以前ニュースレター「Rio」に書いた記事「葉はなぜ秋に色づくの?」をご覧ください(2005年11月号)。
https://www.yahagigawa.jp/rio/2005/           (洲崎燈子)
                         *写真は設楽町にて、久米守氏撮影


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