矢作川を知ろう 【矢作川と人】

絵と語りから読み解く広沢川と水車 ―「昭和25年頃、思いで水車」―

 2026年5月9日に、豊田市猿投(さなげ)町を流れる広沢川で、広沢川猿投水辺愛護会の皆さんと研究所で「川づくり勉強会」が行われました。会の終了後、会員の三宅茂さんが、スマホの画面で一枚の絵を見せてくださいました(図①)。

 絵には広沢川と水車が描かれています。三宅さんのお父様である三宅勝(1920-2017)さんが晩年描いたものだそうで、「なんて味わいのある絵だろう!」と魅了されました。そして「今はもう見ることができない川辺の風景…これは貴重だ!」と、さっそくご自宅に伺い、他の絵も含めて実物を見せていただくことになりました。  

 勝さんは、晩年、脳に良い刺激を与えるためにと家族に提案され、絵を描き始めたそうです。「勝乃覚絵」と表紙に書かれたファイルには、水車の絵のほかにも猿投山での炭焼きの様子や、近くの神社のお祭りを描いた絵などもありました。
 後からわかったのですが、実は勝さんには、82才の時(2002年)に研究所の聴き取りにご参加いただいていました。近くに住むA氏とお二人で、広沢川や猿投山での仕事や暮らしのことを語った記録があります(非公開)。以下、絵の詳細と、聴き取りで得られた情報を交えてお伝えします。


広沢川


三宅茂さん


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地域ぐるみで、企業もともに川辺を整備する

森 和夫さん:中越戸水辺愛護会会長(1948年生まれ)

中越戸水辺愛護会:会員数15人。越戸公園近くの矢作川散策路において、竹伐り、草刈り、遊歩道の整備作業を行っている。



 豊田市の猿投台地区では、住民が自然を満喫し、交流できるよう、矢作川沿いの散策路を整備することが地域全体の取り組みとして位置づけられています(「猿投台地区まちづくりビジョン・実施計画」(猿投台地域会議※1発行(2016年))。散策路整備を進めるために5つの団体が組織され、当初は豊田市の補助制度「わくわく事業」※1を活用して整備を進めてきました。2020年度からはそのうち4団体と、新たに組織された1団体が水辺愛護会となり、猿投台地区に以前からあった2つの水辺愛護会も含めて7団体が連携して活動しています。

 竹林に遮られ、堤防や散策路から見えなかった矢作川が今では見通せるようになり、散策路を歩く人の数は明らかに増えたとのこと。活動の中心人物のお一人である森和夫さんにお話を伺いました。
(聞き取り:吉橋久美子・洲崎燈子 2022年7月6日@豊田市矢作川研究所)


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川辺の恵みを活かす~水辺愛護会活動地の幼竹を食べる試み~

梅村守久さん、澤田洋子さん、月山正己さん(大河原水辺愛護会)
梅村康子さん(大河原町在住)(足助地区)

 矢作川研究所は、市内の川辺を整備する「水辺愛護会」(22団体)の活動を、川辺環境を改善し、住民が川とふれあう場をつくる大切な活動として支援しています。その一環として活動地の自然の恵みを楽しもうと呼びかけています。

 2021年度の取り組みとして、多くの活動地に生えており、間伐対象となっているマダケの幼竹を使ったメンマ作りを大河原水辺愛護会(以下「水辺愛護会」)に呼びかけて、ご快諾いただきました。
 無事にメンマが完成してから約半年後、メンマ作りに携わった方々にお話を伺いました。
(聞き取り:吉橋久美子 2022年1月19日@大河原ふるさと館)



【メンマ作りについて】
 2021年6月9日、朝8時に水辺愛護会会員と地域の方、他地区でモウソウチクからメンマを作っている方、研究所員の計8人が活動地(※1) に集合しました。50~100cmに育ったマダケの幼竹を鎌で切り、皮をはぎ、節などの固い部分を除けて茹でました。食べてみると、アスパラガスやブロッコリーの茎のような食感でした。
 試行ということで、茹でた竹約8キロを三つの樽に分けて、それぞれ竹の重さの20%、25%、30%の塩をまぶし、呼び水を入れ、重石をしました。「メンマにしないで茹でるだけでもいいね」「(間伐のため)倒すだけだった竹を食べられておもしろかった」という感想がありました。
 その後、樽は澤田さんのお宅の蔵で預かっていただきました。澤田さんが度々樽をチェックして、メンマを作った方々にも声をかけて見てもらい、約一ヶ月後に竹を樽から引き上げ、天日干しや扇風機によって一週間弱乾かして完成となりました。


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ヤギが草刈りをお手伝い

めぇープルファーム:鈴木光明さん(会長)(1952年生まれ)・鈴木康生さん(事務局長)(1970年生まれ)

 豊田市で河畔林を整備する住民団体「水辺愛護会」の重要な活動が草刈りです。しかし、どこの愛護会でも人手不足が課題であるとお聞きします。そんななか、豊田市新盛町(足助地区)にある「めぇープルファーム」がヤギによる除草事業を行っているということで、お話を伺いました。ヤギ除草はコストの削減を主な目的として既に各地の河川堤防などで行われています(井上・宝藤,2020)。
(聴き取り:洲崎燈子・吉橋久美子 2020年11月6日 「めぇープルファーム」にて)



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みんなが遊んで楽しめるところを作ってやりたいな

萩野鎭夫さん(1948年生まれ)(初音川ビオトープ愛護会会長) 

豊田市で水辺を整備する住民団体、「水辺愛護会」のうち、最も南部で活動しているのが初音川ビオトープ愛護会です。初音川ビオトープ愛護会は、初音川と逢妻男川の合流点のビオトープにおいて、年間20回に及ぶ草刈りやごみ拾いなどの他に、ミシシッピアカミミガメの防除、ニホンミツバチの養蜂も行っています。その活動の原動力が何なのか、会長である萩野さんにお伺いしました。
      (聴き取り:吉橋久美子 2021年1月29日 豊田市矢作川研究所にて)



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