No.185 オオアオイトトンボ

 10月下旬、矢作川の河川敷に生えたアカメヤナギの枝先に、連結したオオアオイトトンボがとまっているのを見つけました(写真の上がオスで下がメス)。体長は4~5cmくらい。金緑色に輝く背面が特徴的なトンボ目アオイトトンボ科の昆虫です。辺りには7~8個体の本種が集まっており、連結した個体も複数見られました。ヤナギの枝は水たまりの上に張り出しており、あちこちに何かで傷つけられたような1~2mm程度の痕が確認できました。
 オオアオイトトンボは秋になると樹木の枝先に産卵し、樹皮下の卵は翌春に孵化します。幼虫は水中で生活するため、成虫は孵化した幼虫が無事に水に落ちるよう、水面に張り出した枝先を選んで産卵すると言われています。これは卵や幼虫の生存率を高めようとする、アオイトトンボ科数種に特有の戦略と考えられます。このような生態をどのようにして身につけたのか、不思議で興味深い種の一つです。(浜崎健児)


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