水中で一時期を過ごす水生昆虫の中では、全長25 mm程にもなる大型のカワゲラです。河川中下流域の流れが比較的早い瀬の、浮き石の下や隙間などに暮らしています。矢作川でも中下流の川幅が広い場所で、大きな礫をひっくり返すと見つかります。このような場所は環境が悪化したり、開発の影響を受けることも多く、ヒメオオヤマカワゲラは全国的に減少傾向にあります。
写真の脇や脚の間などにフサフサと白く見えるのは鰓(えら)で、水中の酸素を取り込みます。採集したカワゲラを水を張ったバケツやバットなどに放してしばらくすると、まるで腕立て伏せをしているような行動を始めます。これは身体の周りの水を動かすことで、溶けている酸素の多い水が鰓周辺に流れ込むようにしているのです。