No.130 ヤブツバキ

竹林の間伐が進み、明るくなった矢作川の川辺では冬、あちこちでヤブツバキが赤い花をつけます。冬枯れの季節、その色彩はひときわ目に鮮やかです。この花は、メジロやヒヨドリなどが花粉を運ぶ鳥媒花です。恒温動物である鳥が虫と違い、冬でも活動できるため冬に咲くこと、鳥の食欲を満たす大量の蜜を分泌すること、花のつくりが丈夫なこと等がその特徴です。
ヤブツバキは日本の暖温帯植生を代表する種の一つで、学名は<i>Camellia japonica</i>(日本のツバキの意)、西日本を中心に本州以南に分布します。一方で東北~北陸の日本海側の多雪地帯にはユキツバキが分布します。両者はよく似ていますが、ヤブツバキが樹高10m以上になるのに対し、ユキツバキは2m程度と小型で、冬に雪の下で生き抜ける樹形をしており、雪解けの後に開花します。


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