No.154 セイヨウカラシナ

春先の川辺を一面の黄色に染める菜の花は、童謡にも歌われている、日本人にとってなじみの深い風景ですね。矢作川では下流や、支流沿いのあちこちに見られます。菜の花というのはアブラナ科アブラナ属の花の総称で、野外で見られるものの多くは「セイヨウカラシナ」であり、名前の通りヨーロッパ原産です。よく似たセイヨウアブラナとは、茎につく葉が茎を抱かないことで見分けがつきます。畑で栽培されていたカラシナが野生化したもので、西日本を中心に河川敷などでしばしば大繁殖し、環境省によって「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種」に指定されています。栽培種と同様、葉や花を食べられ、乾燥した種子をすりつぶせば辛子を作れますので、おいしく食べて、外来種についての意識啓発につなげられるといいと思います。(洲崎燈子)

*写真は鹿乗川にて、久米守氏撮影


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