No.193 ハチクマ

矢作川水系森林ボランティア協議会の創設者・初代代表の丹羽健司さんは、恵那市にある持ち山の明るい人工林内にニホンミツバチの巣箱を置いています。その巣箱に引っ掻きキズがついていたので、犯人を捜すためにトレイルカメラを仕掛けたところ、驚きの生き物が映っていました。ハチクマです。名前の由来はハチを獲るクマタカで、翼を広げると1.2m以上ある猛禽です。東南アジアで越冬し、夏は日本の山地から丘陵地にかけての森林で繁殖します。国の準絶滅危惧種に指定されています。以下は、写真をお送りして同定をお願いした西三河野鳥の会の高橋伸夫さんの解説です。

「ハチクマのオスの成鳥ですね。ハチクマは5月下旬から6月頃に越冬地であるフィリピン等から飛来して営巣し、巣の周囲数キロの範囲で餌を探します。飛来当初はトカゲやヘビなどを捕食しますが、ヒナが孵化する今頃からは蜂の巣を探します。

専らスズメバチの仲間の巣を狙いますが、蜂であればミツバチやアシナガバチも狙います。ミツバチの巣箱はしっかりしているので壊せませんが、恐ろしいオオスズメバチやキイロスズメバチの巣も平気で狙います。地中のオオスズメバチの巣は掘り出して、木から下がっているキイロスズメバチの巣は壊し、自らの巣まで持ち帰って幼虫やサナギをヒナに与えます。ハチ類の親を食べることは無いと思います。


写真の親鳥の顔を見て頂くと、顔の皮膚の部分が灰色に見えます。ここが硬い角質になっていることで、ハチの針が刺さらないようになっています。」

映像の個体は朝7時から30分ほど巣箱の周りに滞在後、諦めて飛び去っていきました。ハチクマの減少要因の一つが、繁殖地が開発や人間活動の影響を受けやすい場所にあることだと考えられています。この近くで親の帰りを待っているであろうヒナが、暑さに負けずすくすくと育つことを願っています。

                                               撮影:鈴木章氏


巣箱を開けようとしている


飛翔の瞬間


撮影地:岐阜県恵那市
撮影日:2025-08-03
作成者:洲崎燈子

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