矢作川研究所日記

2023/09/29

アユと水生昆虫の調査をしました

友釣りの時期も終わりに近づいてきましたが、矢作川中流ではまだまだアユのハミアトはたくさん見られ、潜水ではアユの姿も見られました。

ハミアトはアユが石に付いた付着藻類を食べる時に付く痕跡なのですが、魚類以外にも多くの水生昆虫が付着藻類を食べます。中でもヤマトビケラ類はアユと餌を取り合うだけでなく、ヤマトビケラ類がたくさんいる川底ではアユが減っているとの報告もあります。近年、矢作川中流の石の上にもたくさんのヤマトビケラ類が見られるようになり、釣り人からもヤマトビケラ類がたくさんいる時期にはアユが釣れないとの話しをお聞きしました。


アユ


アユのハミアト


ヤマトビケラ類は細かい砂粒を利用してドーム型の巣を作り、その中に入って生活します。幼虫はその巣を背負いながら石の上の付着藻類を食べて暮らし、蛹になると一カ所に集まって固着することが多く、その後成虫となり陸上へ飛び立ちます。


ヤマトビケラ類の巣と幼虫


今回はこのアユとヤマトビケラ類の関係を調べるため、平成記念橋周辺で調査を行いました。ヤマトビケラ類は石の表面だけでなく、側面や下面にも生息しており、多い時は一つの石に数十個体も確認されました。


川底を歩くと,砂や有機物などが舞うため、餌を食べに魚類が集まってきます。調査の際にはアユに加え、スゴモロコ属、オイカワ、アカザ、カマツカ属、カワヨシノボリなど多くの魚類が見られました。


スゴモロコ属やオイカワ


カワヨシノボリ