矢作川研究所日記

2024/02/19

矢作川研究所のDX 顕微鏡カメラ来たる!

顕微鏡カメラで見せてもらいました


先日,念願だった生物顕微鏡用のカメラが届きました.
早速,研究員の内田さんと白金さんがカメラ一式を顕微鏡に取り付け,研究所内のモニターを仮移動させてセット完了.

藻類のサンプルを見せてもらうと…きれいな珪藻の画像がモニターに映りました.
いつも,内田さんが熱心に顕微鏡をのぞいているのを見ていましたが,顕微鏡越しにどんな世界が広がっているかまでは知りませんでした.矢作川研究所の所報(内田・洲澤2018,矢作川研究22号)で珪藻の写真を見たことはありましたが,そちらは白黒の写真だったので,モニターに映る鮮やかな珪藻の彩りに魅せられました.顕微鏡カメラの利用は検鏡作業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)の一つと言えるもので,研究成果の高度化に役立つことは間違いありません.

それだけでなく,市民の方に付着藻類の世界を見てもらうのにも活用したいと内田さんは言います.(矢作川研究所の季刊誌RIOの次号[2024年春号]の記事も参照下さい)地元の川でとれた付着藻類などのサンプルを持ち込んでもらい,どのような種類がいるのかを確認してもらえたら,付着藻類への理解が深まると期待されます.一般には,付着藻類というと石についた緑や茶色っぽいものくらいの認識しかされませんが,それぞれの環境にあった種類が存在し,多様な世界を形成しているようです.

皆さんも地元の「おらが川」で付着藻類を採集して,矢作川研究所に持ち込んで,顕微鏡カメラで見てみませんか?


鮮明な「付着藻類の世界」!



2024/02/10

5年振りにシンポジウムを対面開催しました

 今回のシンポジウムは「市民連携で進める川づくり」をテーマにしました。
 基調講演では、全国の河川市民団体に関する研究や川を活かしたまちづくりの事例について坂本貴啓先生(金沢大学)にお話しをいただきました。その後のディスカッションでは、坂本先生に加えて、市民の立場から岩本川創遊会の小野内会長、行政の立場から豊田市河川課の須藤課長、そして矢作川研究所の山本の4人で、水辺の整備や川づくりへの市民の関わり方、活動の継続に関するヒントや行政の課題などについて話しました。短い時間でしたが、市内で行われている様々な活動の発展や継続のきっかけになれば幸いです。
 対面での開催は実に5年振りだったため、来場していただけるか不安でしたが、水辺愛護会の皆さんやふるさとの川づくりに関わっている皆さんなど、日頃から矢作川研究所がお世話になっている方々がお越しくださったのに加えて、シンポジウム初参加という一般の方々の、合わせて60名の方に参加していただきました。(山本大輔)