2024/05/20
このたび,ダム工学会から「石礫の露出高の簡易予測モデルを用いたダム下流の河床環境評価手法の開発」について,令和5年度技術開発賞をいただきました.土木研究所自然共生研究センター時代の研究成果に対するもので,矢作川水系で行った精度検証の研究成果も含まれています.
「簡易予測モデル」を開発した宮川幸雄さん(現:リバーフロント研究所)が代表受賞者であり,連名者としては私(小野田幸生)のほか,末吉正尚さん(現:国立環境研究所),堀田大貴さん(現:建設技術研究所),中村圭吾さん(現:土木研究所流域水環境研究グループ長)といった,当時の研究仲間などが名を連ねます(嬉しいお知らせを皆で共有しました!).
技術の詳細については,土木研究所自然共生研究センターのHP「ダム下流の環境評価ツール」をご参照下さい.なお,豊田市矢作川研究所の季刊誌Rio(No.226, 2023)では,露出高の特集を組んでおり,宮川さんには「簡易予測モデル」の紹介記事を書いてもらいました.改めて読んでいただければ幸いです.(小野田幸生)
2024/05/09
4月に発行したRio 231号「川の小さな藻、もっともっと知って欲しいな」を見たのでと、藻のサンプルを携え、市民の方が研究所を訪ねてくださいました。
早速、小瓶にはいった藻を顕微鏡で観察しました。拡大された微生物をモニターに映すと、たくさんのアオミドロが現れました。サヤミドロも混在しているのがわかりました。アオミドロは、リボン状の葉緑体が螺旋になっていることで同定できます。サヤミドロは、頂帽とよばれるネジのような筋が入った細胞があります。
しばらく観察していると、何か、忙しそうに動いている動物もいました。ワムシの仲間です。彼らは藻や細菌などを食べていました。このように、小さなメダカ池であっても生物たちが繋がっているのです!
依頼者は、「増えて迷惑だなと思っていた藻でも、顕微鏡で観察してみると、少し可愛く、愛着が湧いてきました」と感想を聞かせてくださいました。
藻は皆さんの身近な場所にも生息しています。「これ何かな?」を見つけたら、わずかな量でOK、ジャムの空き瓶やジッパー付き袋などに入れて研究所へお出かけください。お待ちしています!