2016/10/26
豊田市矢作川研究所は、水辺愛護会の活性化に向けた取り組みの一つとして「養蜂」に着目し、中部日本みつばちの会にご指導いただいてニホンミツバチを飼育しています。昨年は研究所の屋上に巣箱を置いていましたが、今年は扶桑町の古鼡水辺公園の近くに巣箱を移し、古鼡水辺公園愛護会のみなさんとともに養蜂にチャレンジしました。
秋には雨の日が続いたものの、無事に採蜜会を行うことができました。
採蜜会には古鼡水辺公園愛護会の方々だけでなく、平井こども園の園児たちもお招きしました。メッシュを貼ったテントの中に巣箱を入れて採蜜作業を行い、テントの外からその様子を見ていただきました。園児たちは巣箱から出てきたたくさんのハチに驚いていましたが、ハチミツを湛えた巣を巣箱から切り出すと歓声をあげていました。
巣を切り分けて行った試食では、喜んでおいしそうに食べる子や花粉のにおいを気にして食べない子など、採れたて新鮮なハチミツならではの様々な反応がありました。今年は巣箱の設置が遅れたことや秋に雨の日が続いたこともありハチミツの量が少なかったものの、愛護会の方々にも味わっていただくことができ、盛況のうちに採蜜会を終えることができました。
今後は巣箱の数を増やしながら、より多くの愛護会とともにニホンミツバチの養蜂にチャレンジしていきたいと考えています。(浜崎健児)
2016/10/07
ミシシッピアカミミガメ(以下、アカミミガメと記す)は、1950年代から「ミドリガメ」として販売されており、飼育されている方も多いと思います。実はこのカメ、アメリカ中南部が原産で、もともと日本にはいなかった外来種なんです。環境省によると、野外に逃げ出して定着したアカミミガメが全国に約800万匹もいると推定されています。
アカミミガメは、食欲旺盛で池の水草を食べ尽くしたり、在来のニホンイシガメの生息場所を奪ったりすることが分かってきており、在来の生態系に悪い影響を及ぼすことが心配されています。環境省はこの問題の解決に向けて、2016年より「アカミミガメ対策推進プロジェクト」を開始しました。豊田市矢作川研究所はこのプロジェクトに加わり、豊田市内の逢妻女川と逢妻男川において、自治体(官)・専門家(学)・市民(民)の共働によるアカミミガメの防除体制づくりに取り組んでいます。
今年は、市民ボランティア団体である逢妻女川の「逢妻女川を考える会」と逢妻男川の「初音川ビオトープ愛護会」にご協力いただき、愛知学泉大学の矢部研究室とともに、逢妻女川と逢妻男川のそれぞれ約2kmの区間で試行的に捕獲調査を行いました。10月7日~9日の3日間、それぞれの区間の9~10ヵ所に魚の頭を餌とする籠わなを仕掛けてカメを捕獲しました。
調査には、逢妻女川と逢妻男川で合わせて16名の地域住民の方々にご参加いただき、籠わなの設置やカメの回収、餌の補給などの作業を共働で行いました。これにより、アカミミガメ148個体、ニホンスッポン30個体、ニホンイシガメ14個体、クサガメ1個体を捕獲することができました。ニホンイシガメなどの在来種の生息が確認されたものの、捕獲したカメの77%はアカミミガメという結果になり、豊田市でもアカミミガメが増殖している実態が明らかになりました。
今後は、広域での一斉防除に向けて、アカミミガメ防除の必要性や具体的な作業の内容について流域の自治区ごとに説明会を行い、民・官・学の共働による防除体制づくりを進めることにしています。(浜崎健児)
逢妻男川での調査の様子
2016/10/06
ドローン、みなさん使ったことありますか?
上空から風景を見られるなんて、まるで鳥になったようで素敵ですよね。
矢作川研究所では今年結成された「豊田市ドローン飛行隊」に入隊し、ドローンの優位性を活用した調査研究を行っています。
10月4日から、逢妻女川、逢妻男川においてカメ類の生息分布状況を把握するために、ドローンによる空撮を始めました。
水辺の動物がどんな場所に多くいるのか、どれくらいいるのか、といった現状把握をする際は、目視で確認したり、罠を仕掛けて捕獲したりするのが一般的です。
カメ類の場合、甲羅干し(ひなたぼっこ)をするため、目視での確認がお手軽な調査方法かと思っていたのですが、
人が近づくとカメたちは一斉に水中へ逃げ込んでしまいます。
さらに川岸に背の高い草木や竹などが生えている場所では川を見ることさえできません。
そこで、人が近づかずして川の様子が見られ、人からは川面が見えない場所でも上空から撮影できるドローンの優位性に期待がかかります。
カメ類調査のためのドローン空撮は10月28日まで順次行ない、その後空撮した映像を解析します。
ドローンを活用した河川環境調査の様子は、
市政番組「とよたNOW」10月5日(水)のニュースでも取り上げられています。
カメ類の調査は、環境省との共同で、愛知学泉大学矢部教授の指導のもと行っています。
詳しくはこちら(報道発表資料へリンクします)。
2016/10/01
10月1日(土)の夜、矢作川河川敷の千石公園で「鳴く虫観察会」が開催されました。当日は時折、パラっと雨が落ちることもあるムッとした天気でしたが、21人の方にお集まり頂きました。参加者のみなさんは「蚊」の襲撃に悩まされていましたが、虫の観察にはもってこいのコンディションでした。足元が悪い中、ご参加頂いたみなさまどうもありがとうございました。
観察会ではバッタ・コオロギの研究で博士号を取得された㈱建設環境研究所中部支社の小田健一先生に、鳴く虫の解説して頂きながら河川敷を歩きました。