矢作川研究所日記

2020/11/28

ヤブツバキの搾油体験会を行いました

 ヤブツバキは矢作川の河畔に多い樹木で、種子からは椿油を取ることができます
(矢作川の生き物 ヤブツバキ)。矢作川研究所は、矢作川の河川敷で草刈りや竹伐り、ごみ拾いなどの活動をしている水辺愛護会の活性化に向けた支援を行っており、活動の楽しみになる川辺の生物資源としての椿油の可能性に着目しています。

 今年の2月に研究所で、百々水辺愛護会の今井菊平会長と下越戸水辺愛護会の白鳥満夫さんにお越し頂き、河畔で採取したヤブツバキの実を搾る体験をして頂きました。白鳥さんが搾った椿油を自治区の方に見せたところ、女性の方々が興味を示され、下越戸児童館で搾油体験会を開催する運びとなりました。講師には椿油の生産やワークショップを手がけている松原孝史さんをお招きし、下越戸水辺愛護会の会員と地域住民あわせて7人が参加しました(松原さん)。



 参加者の皆さんは事前に集まって種子を採取し、各自持ち帰って天日干ししていました。その種子を重い棒で砕いて殻をとり、ミキサーにかけ、さらしの袋に入れて松原さんお手製の搾油機で搾りました。殻をとるのは時間がかかりますが、おしゃべりをしながらの楽しそうな作業でした。搾油は強い圧力が必要なため、搾油器を支える人、バーを回して圧力をかける人が協力して行いました。圧搾されてゆっくり染み出してきた、うっすら黄色い油をスポイトで吸って容器に移しました。2時間ほどで25mlの容器7本分の油が搾れました。




 この体験会に参加して、身近に自然の恵みがあることに気付いた、初めての体験でワクワクした、手搾りでできるなんてすごい、との声も聞かれました。その夜さっそく椿油をお肌の手入れに使った方もいたそうです。

 古くから美容に用いられてきた椿油は、これまで水辺愛護活動への参加が少なかった女性が川辺に関心を持つきっかけになったようです。今後も河畔の自然と水辺愛護活動について広報するツールとして、ヤブツバキの活用を進めていければと思います。




2020/11/06

ヤギ除草のお話を伺いました

 豊田市足助地区にある「めぇープルファーム」では除草のためのヤギレンタルを行っています。河畔林を整備する「水辺愛護会」でも活用できないかということで、鈴木光明会長、鈴木康生事務局長、貞島容子さんにお話を伺いました。
 めぇープルファームは山里の景観を守り、住民が生き物とふれあう機会を作ることを目的に2016年に発足しました。現在ファームで5頭、会員宅に2頭のヤギが飼われており、除草のためには一ヶ月単位で貸し出しをしています。



 冬の間に予め草を刈っておき、春先に一ヶ月弱、夏と秋にそれぞれ一ヶ月弱,ヤギを放つとよいそうです。地面にロープを這わせてそこからリードでヤギを繋げば、ロープが絡まることはありません。日中は日陰が、雨天時や夜は屋根がある場所があれば大丈夫ですが、「ほったらかしだとヤギがいじける」そうで、「一日一回は顔を見せた方がいいかな」とのことでした。二年目には草丈が低くおさえられ、景観が変わってくるそうです。ヤギがいる風景が、川辺に住民を呼ぶきっかけにもなればいいなと思いました。