セミナーを開催しました(秋山 弘之 氏)

2017/01/13

阿摺ダム下流のアユ友釣り漁場(通称ソジバ)は付着藻類ではなく、コケ植物(蘚類)が繁茂しています。この瀬をアユの餌場となるよう再生するために、コケ植物について知りたいと思いました。今回は、兵庫県立人と自然の博物館の秋山弘之先生をお招きし、「コケ植物の多様性、その生き方」と題してお話をしていただきました。
コケ植物は、乾燥環境下だと自身も乾燥し、湿潤になると湿るという変水性が強みで、他の植物が生きられない厳しい環境下でも順応できるそうです。動物たちとの関わりでは、ゲンジボタルの産卵場やオオルリの巣材などとして利用されています。しかし、ほとんど食料とならないのは、あまりにもまずくて食べられる代物ではない(秋山先生の食味による)からでしょう? 矢作川のアユも嫌うのかもしれません。
ゼミ前日には、先生に矢作川のコケ植物繁茂地を視察していただきました。水位が変動しても常に水中の石面にはニブハタケナガゴケ、水位によって干上がることのある岩上や岸辺の石にはアオハイゴケなどが生えていました。アユの餌場の再生には、付着藻類と競合しているニブハタケナガゴケに撤退してもらう作戦が必要です。
今回のゼミでは、コケ植物の概要を学ぶとともにその強かさも垣間みることができました。



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