矢作川研究所日記

2026/06/25

豊田市の旭地区・小原地区で植物調査を行いました

 2026年6月10日に、豊田市の旭地区にある有間竹林愛護会と小原地区にある矢作自治区水辺愛護会(愛称:川坊主広場)の活動地で植物調査を行いました。いずれも愛護会の活動地の中では上流域に位置しています。

 植物調査では、活動地を歩きながら見つけた植物を記録していきます。例えば、下の写真にはオオチドメ、ヨモギ、ネコハギ、ヘクソカズラなど少なくとも11種類の植物が写っています。植物は現地で観察しながら確認し、判別が難しい場合には持ち帰って詳しく調べます。


 調査者の視点

 調査者の脳内


 同じ上流域に位置する活動地ですが、見られる植物にはそれぞれ特徴があります。有間は竹林があることで、全体的にやや日陰で湿り気のある環境が保たれているため、林の縁などを好む植物が多い印象です。一方、矢作自治区の川坊主広場では、比高が高い乾いた場所と川沿いの湿った場所で見られる植物が異なり、環境の違いによる植生の変化を観察することができます。このように、それぞれの活動地ならではの特徴が見られることも、植物調査の楽しさの一つです。


 また、有間ではハチクの花を観察しました。今後どのように変化していくのか、引き続き見守っていきたいと思います。なお、ハチクの開花後の竹林の再生については、近年の研究成果をもとに別の記事でまとめましたので、ぜひあわせてご覧ください。


 有間のハチク林

 ハチクの花を観察中



2026/06/13

初音川ビオトープで植物観察会が行われました

初音川ビオトープ愛護会が日常的な草刈りなどの管理を行っている初音川ビオトープ(豊田市中町)では、毎年同会が主催の植物観察会が行われています。この観察会は、ビオトープの植生管理について情報を共有するという目的もあります。今年は6月13日に行われ、野田顕研究員が講師としてお招きを受け、活動で一汗流した愛護会の会員と地域住民が参加しました。

まず、野田研究員から、駆除の対象となる外来の植物(セイタカアワダチソウ、アレチヌスビトハギなど)、有用な植物(オニグルミなど)、保全する在来の植物(チガヤ、ワレモコウ、ミソハギなど)についての資料による説明がありました。

その後、ビオトープをぐるりと一周するなかで、たくさんの実をつけたマグワ(有用な植物)、ピンクの花がらせん状に咲いているネジバナや薄紫色の花をつけたヒナギキョウ(保全する在来の植物)などを観察しました。参加者も積極的に植物を観察し、「この葉を引っ張るとV字型に切れる。子ども時代引っ張って遊んだ」と葉をちぎって見せてくださったのは「ヤハズソウ」でした。矢筈のような形になるから、という野田研究員の説明に皆さん頷いておられました。

初音川ビオトープ愛護会は、2019年度に研究所とともに「管理・活動計画」を作成し、その後も計画的に管理を進めています(管理・活動計画作成ワークショップ)。そのおかげで、ビオトープは野鳥や昆虫などにとっても貴重な場となっています。今後も地域の大切な場として守られていく事を願っています。


鈴なりに実を付けたマグワ 

熱心に説明を聞く参加者

ヤハズソウの葉をちぎる 

たくさんの質問が出た楽しい時間でした



2026/06/09

岩本川について平井小学校の4年生が学びました

2025年6月9日に、平井小学校4年生(40人)が岩本川で川学習を行いました。岩本川は住民と市が共働で行う事業「ふるさとの川づくり」の対象となった川で、住民団体「岩本川創遊会」が草刈りなどの日常的な管理を行っています。

4年生の皆さんは総合学習で「岩本川をより良くするためにできること」をテーマとしており、この日は今後の実践に向けて岩本川を見学し、課題を見つける日でした。

いつものように岩本川創遊会の小野内康伊会長と矢作川研究所の山本大輔研究員が講師として招かれました。小野内会長からは、川は生き物のように形を変えるものであり、岩本川は現在理想的な形であること、ごみが課題であるという説明がありました。山本研究員からは、岩本川は生き物がすみやすい多様な環境があるが外来種もすんでいること、観察のポイントとして川幅と流れの速さに注目するとよい、と説明がありました。

4年生の皆さんは、生き物の気配を感じたり、流れを観察したりしながら、岩本川の課題について考えていました。ごみをきっかけに、川が海までつながっていることも話題に上りました。そして海からのぼってくる魚、アユが岩本川にもおり、そのハミアトが見られる石があることが山本研究員から説明されました。

岩本川創遊会をはじめ、子どもたちも、岩本川をより良くしようと取り組んでおられる姿に、岩本川は地域で愛されている川であると感じました。(吉橋)


アメリカザリガニのハサミが見えるかな?

川を間近で観察する



2026/06/04

青木小学校の6年生がお釣土場水辺公園を訪れました

 2026年6月4日に青木小学校の6年生(うち1クラス・27名)がお釣土場水辺公園(おつりどばみずべこうえん:豊田市越戸町)を訪れ、中越戸水辺愛護会の皆さん(7名)と、矢作川研究所から吉橋が、お迎えしました。

 この訪問は、2025年度に「お釣土場水辺公園 管理・活動計画」が作成されたことがきっかけです。計画はお釣土場水辺公園(以下お釣土場)を含む一帯で草刈りなどの日常的管理をする中越戸水辺愛護会、活動地が水辺公園に隣接する下越戸水辺愛護会、矢作川研究所の三者がワークショップを行ってまとめました。その計画を地元の青木小学校に掲示していただくことになり、さらに学校側からお釣土場訪問の希望をいただいて、この日、6年生の皆さんの訪問が実現しました。

 当日は、中越戸水辺愛護会の森和夫会長や会員から、活動によって親しみやすくなった川辺の変化、草刈りなどの維持管理方法、矢作川の自然を守りたいという思い、お釣土場の植物や動物についての解説がありました。会員の皆さんによって鳥や昆虫、植物のポスターなどが準備されており、わかりやすい工夫が凝らされていました。研究所の吉橋からは、川辺林の理想的な姿、市内には全部で25の水辺愛護会があって約740人が活動していること、などをお話しました。

 その後の水辺公園内の散策では、児童の皆さんは思い思いに生き物のポスターをじっくり見たり、骨を見つけて何の動物か推理しあったり、水辺に近づいたり、生き生きと自然を楽しんでいました。

 後日いただいた学校からのレポートでは、児童の皆さんが自然豊かな水辺公園を未来に残していきたいという思いを持った、とありました。今回の訪問は、矢作川を通じて水辺愛護会と児童の皆さんが世代を超えて交流し、水辺公園の未来にまで思いを馳せることにつながった、素晴らしい機会であったと思います。


中越戸水辺愛護会・森和夫会長による、かつての渡し場や流れ橋の解説

会員鈴木史郎さんによる、希少な植物の解説

野鳥についての解説ポスター

発見したものをよく観察する様子



2026/05/26

岩本川について平井小学校の2年生が学びました

 豊田市の百々町にある平井小学校では、2017年度から近くを流れる岩本川について学習を重ねています。岩本川は住民と市が共働で行う事業「ふるさとの川づくり」の対象となった川で、住民団体「岩本川創遊会」が草刈りなどの日常的な管理を行っています。
 
 5月26日は岩本川創遊会の小野内康伊会長と矢作川研究所の山本大輔研究員が講師として招かれ、2年生(43人)が岩本川を訪れました。子どもたちは、たも網でガサガサをして生き物に親しんだり、「ここは流れが速いよ!」「ここは深いよ!」と声をかけあいながら、川の流れを体感したりしました。
 その後、教室で山本研究員がヤゴや魚などの生き物を大きく映し出し、特徴を説明しました。カワニナの仲間について、その捕食者であるゲンジボタルがちょうど今頃岩本川で見られるという説明には驚きの声があがっていました。
 最後に山本研究員は、皆さんの住むまちは生きものの豊かな素敵な川があるということ、その川を岩本川創遊会が守ってくれていることを覚えていてほしい、と説明を締めくくりました。


大きなヘビの抜け殻が川辺に落ちていた

たも網を片手に生き物探し

何が採れた?生き物に興味津々の子ども達

たくさんとれた「ヤゴ」の特徴を知る