大洞市有林で林分調査を行いました

2019/11/13

手入れ不足で過密な状態の人工林を間伐すると、森の土が水を蓄える「緑のダム機能」が上がったり、土砂崩れの危険性が下がったりするのでしょうか? こうした研究は各地で行われていますが、豊田市は岐阜県との県境に近い市内小原地区の大洞市有林で、2016年度より、間伐の効果を調べるモニタリング調査を行っています。渓流の流量や土砂、表面流の流出量の調査は東京大学が委託を受けて実施しており、植栽木や林内の明るさ、林内の植物の変化を矢作川研究所が調べています。実験区では昨年度から今年度にかけて、順次間伐が実施されています。

この日は研究員の洲崎が森林課の西川さんにお手伝いして頂き、土砂流出量の実験区で間伐前の林分調査を行いました。傾斜角28°とかなり急勾配で、足場を慎重に確保しながらの作業になりました。
植栽木の密度は1ヘクタールあたり約1800本と、かなり過密な状態であることが分かりました。過密で林内が暗いため、この日の前に調べた林内の植物は、被覆率が平均5%、種数も平均5種ときわめて少ない状態でした。
この実験区では今年度内に間伐が実施されますので、その2年後と5年後に同様の調査を行い、間伐によって林内が明るくなり、林内の植物が回復していく過程を追跡して、流量等の変化と重ね合わせていければと思っています。


林分調査のようす(2018年10月撮影)


            昨年度間伐を行った実験区(表面流観測地点)


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