2024/11/16
2024年11月16日(土)、矢作川の中流域でエクスカーションを行いました。川底の石に着目した夏の回に続く第二弾で、市民の方を対象として、矢作川の川辺を散策しながら自然を味わい、川と人の歴史と今を知り、今後の矢作川について考えるきっかけとしていただくために実施しました。
園児から60代以上の方まで17人の参加がありました。まず、集合した越戸公園付近で、研究所から、河畔林の特性、対岸の「古鼡水辺公園」で行われた近自然工法による護岸工事、川辺を整備する「水辺愛護会」について説明しました
平戸橋下流の「波岩水辺公園」では、かつて景勝地だったことや、治水を巡って両岸住民の駆け引きがあったことなどをお話しました。
お釣土場水辺公園では、「中越戸水辺愛護会」の会長、森和夫さんからお話を伺いました。2016年から、この猿投台地区全体の取り組みとして散策路の整備を始め、眺めを遮っていた竹林を伐開してきたそうです※。地区の7愛護会が連携していること、企業ボランティアを受け入れていることも教えていただきました。
(※2016年から「中越戸竹伐り隊」として活動開始、2020年から現在の愛護会として活動。)
その後、研究員が行う植生調査のうち、「検測棹(けんそくかん)」を使って木の高さを測る方法を見ていただきまし
波岩水辺公園付近では勢いのよい流れ、お釣土場水辺公園付近では静かな流れを見ることができました。足元では様々なキノコが目を引きました。アンケートでは、印象に残った話として、「水害を和らげる人の知恵、歴史」(60代以上)、研究所に期待すること、研究所と共にしたいこととして、「今ある風景を知る解像度を上げる知見を得たい。河川整備の取り組みの成果、経緯を知りたい」(50代)、自由意見として、「楽しかった!!」(10代)、「初めて知ることばかりで川の関心が深まりました」(20代)、「大変勉強になりました」(40代)などの回答を得ました。
また、散策をしながら、川で遊んだ思い出を語ってくださる方が多く、「遊べる川」への期待が高いと感じました。
2024/11/13
2024年11月10日(日),矢作川学校の一環として籠川の中流域でのお魚観察会を行いました.可児市めだかの楽校のメンバー6名を対象に,タモ網を用いたお魚とりの方法を2種類(「ガサガサ」と「クイクイ」)伝授しました.ガサガサは水辺の植物に隠れた魚を上流から足で追い込んで下流に設置した網に追い込む方法で,クイクイは石の上流側に胴長の靴先を入れ込み石の下に流れを送り込むことで,石の下に隠れた魚を下流に追い込む方法です(詳しくは季刊誌Rio No.228を参照下さい).
今回の採集区間では,昨年の私の調査(1人×30分×3地点)で12種類の魚が確認されており,できるだけ多くの種類を揃えたいとの目標を立て,1時間のお魚採集を行いました.皆さん,魚の色々な隠れ場所を想像しながら,夢中で採集されていました.
残りの1時間で捕れた魚の確認作業を行いました.昨年の調査と同様に確認された種は9種(カワヨシノボリ,カワムツ,ホトケドジョウ,カダヤシ,ニシシマドジョウ,アブラハヤ,オイカワ,ギギ,ヌマチチブ)で,今回確認されなかった3種はギンブナ,ニホンウナギ,アユでした.一方,今回の調査区間で初めて確認された種は4種(カマツカ,ウキゴリ,タモロコ,ブルーギル)で,前2種は参加者の方(永井裕子さん)によって採集されました.人数をかけた集中的な採集の威力を思い知る結果となりました.
今回は,事前の魚類調査結果を活かした学習教材(その場所で採集された魚種の写真一覧やイラストを用いたカード図鑑など)を初めて配布してみました.参加者の方は興味深そうに見ていましたが,どのような印象を持たれたのかが気になるところです.
また,今回は学習教材の作成を手伝ってくれている事務員さん2名も飛び入り参加してくれました.バケツを覗いてみると,多くの魚が捕れていて安心するとともに,魚とりの面白さを感じてもらえたようで嬉しく思いました.(小野田 幸生)