矢作川研究所日記

2025/05/16

今年もカワヒバリガイの広域調査を行いました!

カワヒバリガイ


カワヒバリガイは中国,東南アジア原産の特定外来生物で,2004年に日本では3水系目として矢作川で確認されました.ムール貝と同じイガイ科の仲間で,見た目もよく似ています.2004年以降,毎年,愛知工業大学と共同で分布状況を把握しており,2025年は5月8,9,16日の3日間で行いました.調査範囲は,上流は黒田ダムの下流から始まり,下流は米津橋までで,15地点になります.


川底の石を拾い上げカワヒバリガイを探索


カワヒバリガイを死滅させて保存


今年もすべての地点でカワヒバリガイが確認されました.カワヒバリガイの大きさは様々で,特に上流側では殻長が数mm程の稚貝もたくさん見つかり,昨年,多くの個体が産卵していたと思われます.この状況が続くと,再びカワヒバリガイが大繁殖する恐れがありますので,モニタリングを継続することが必要と思われました.


石裏にくっついているカワヒバリガイ


石裏の生き物たち


カワヒバリガイが定着している大きめの石には,石裏に砂や小石で巣を作って網を張るヒゲナガカワトビケラやオオシマトビケラなどの造網性トビケラの幼虫も生息しています.また,写真では分かりづらいですが外来と思われるウズムシも複数いました.

カワヒバリガイは石の裏にくっついていることが多いため,石をひっくり返して探すのでが,ヨシノボリ類の卵がビッシリと付いている石を裏返してしまい,「ごめんなさい」となりました.


アユを狙うサギ類やカワウ


明治用水頭首工の下流では多くのサギ類やカワウが集まっていて,遡上してくるアユを狙っているようでした.



2025/05/10

広沢川猿投水辺愛護会が発足しました

2025年5月10日に、猿投町公民館で、猿投山を源流とする広沢川で草刈りなどの愛護活動を行う「広沢川猿投水辺愛護会」の設立総会が行われました。市内では26番目の水辺愛護会です。


広沢川では、これまでに共働による「ふるさとの川づくり事業(2020年度~2024年度)」が行われ、猿投町まちづくり協議会が中心になって、ワークショップや川遊び体験会などを行って広沢川の将来像を描いてきました(末尾のリンクも参照下さい)。

その結果、「人も生き物も生き生き 川暮らし」を合い言葉に、「子どもも大人も安心して遊べる、生き物がすみやすい川」を目指すことになりました。広沢川では浚渫(しゅんせつ…溜まりすぎた土砂を取り除く)工事や、自然石を使用した置き石、石組みなどにより、生き物のすみやすい川づくり工事も行われました。コンクリートで直線的な構造物をつくるのではなく、自然の素材を用いることで、景観を損なわず、水流の変化や隙間が生まれ、多様な生き物の生息環境がつくられていきます


ワークショップの様子


川遊びの様子


浚渫、置き石、石組みによる川づくり

源流の猿投山を背にした広沢川

今後、広沢川猿投水辺愛護会や地域の皆様の活動により、将来像が実現していく未来を楽しみに想像しています。(吉橋久美子)


広沢川ふるさとの川づくり事業関連 研究所日記
「ふるさとの川づくり」第二の川として、広沢川で活動が始まりました
広沢川ふるさとの川づくりワークショップ「川の思い出を語ろう!」を行いました。
広沢川で川づくり学習会(ふるさとの川づくり事業)
広沢川で川遊び!(ふるさとの川づくり事業)
広沢川で川づくり学習会(第2回)を行いました
広沢川で川づくり勉強会をしました