2024/08/24
8/24に行ったエクスカーション(野外体験学習)のうち,魚の体験学習について紹介します.※エクスカーションの全体を説明した記事も是非ご参照下さい.
魚の体験学習では,アユが石面の付着藻類を食べたあと(はみあと)を探してもらいました.
まずはアユについて解説しました.アユは通常1年で一生を終える「年魚」です.約1 mmの径の卵から20 cm程度の成魚のアユに成長すると考えると,1年で約200倍も成長することになります(30 cmの尺アユなら300倍!).その成長を支えるべく,アユはとても大食漢です.餌となる石面の付着藻類を1日に体重の40~50%も食べるという記述があります(宮地ほか,1976).よい餌場には「なわばり」を形成し,侵入してきた他個体に体当たりしたり追い払ったりします(その習性を利用した釣りが「友釣り」です).そのアユのはみあとの幅はアユのサイズと関連すると言われており,大きなアユほどはみあとの幅が大きくなります.
その説明をした上で「一番大きなアユが付けた(幅の大きな)はみあとを探そう!」と呼びかけ,アユのはみあと探しをしてもらいました.たくさんのはみあとが重なって幅が計測しにくい石が多くて苦労されていましたが,それでもいくつかのはみあとが見つかるたびに大盛り上がりで,計測係の私も楽しく「記録」を読み上げました.
当日の最高記録は,10代の参加者の方が見つけた11 mmの幅のはみあとでした.岸際の限られた範囲での記録としては結構良い記録なのではと思います.
はみあと探しの中で,「大きめの石が狙い目」,「フワフワした藻のついた石は良くなさそう」などのコツを見つける参加者の方もいて「五感をフル活用されているな~」と楽しく見守らせてもらいました.中には,「アユの気持ちになって探すと見つかる!」と悟りを開かれる方もおられ,ゲームのようなはみあと探しでも多くの学びがあったようでした.(小野田 幸生)
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宮地伝三郎・川那部浩哉・水野信彦(1976)原色日本淡水魚類図鑑(全改訂新版).保育社