流域学習プログラムを視察しました

2025/02/21

流域学習の座学の様子


2025年2月21日に「流域学習プログラム」を視察しました.この流域学習プログラムは,矢作川を対象に,川の「流域」という視点から、私たちの暮らしと森林や河川との関わりを学ぶための学習プログラムで,豊田市内の小学校5年生を対象に行われています.今回の流域学習は座学と現地学習の組み合わせで実施され,飯野小学校の5年生の児童が受講しました.

豊田市自然観察の森ネイチャーセンターでの座学では,流域が「降った雨が川に流れ込む範囲」であり,その流域を見守るためには広い視点が重要となることが強調されました.たとえば,森林課の井貝さんからは,水源の山の森の状態が大切で,天然林や手入れされた人工林では土壌がスポンジのように水をしみこませることができる…などの情報が伝えられました.当研究所の山本さんからは,昔も今も川の水が様々な用途で利用されており,私たちの暮らしに必須な身近なものである…などの情報が伝えられました.

現地学習の内容は,座学の内容と対応したものになっていました.自然観察の森での現地学習では,児童の皆さんが天然林と人工林を実際に見分けたり,それぞれの土壌を掘ってその違い(湿り気,色,落ち葉の多さ)を体感したりしました.籠川に移動した後は,「川にある人工物」を探して描くワークを行い,皆でその理由を発表し合いました.川の人工物が人の生活と関連していることを実感しているようでした.

視察して感じたのは,講師の皆さんの工夫でした.座学ではクイズや問いかけが多用され,児童の皆さんが主体的に学習できるようになっていました.スライドの文字は少なく大きめで,漢字にはフリガナを振るなどの配慮もありました.また,話す速度もゆったりしていて,そのために伝える内容を絞り込んでいるようでした.それらの工夫は,現地学習でも貫かれており,小学生などの小さなお子さんに何かを学んでもらいたいときには特に注意すべきことだなと感じました.視察という立場ではありましたが,私にとっても学びの多い流域学習プログラムとなりました.(小野田 幸生)


井貝さんによる座学


山本さんによる座学


森林課の深見さんによる解説


現地学習(土壌採集)の様子


籠川での解説の様子


川にある人工物をスケッチする様子


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