矢作川で遊ぼう 2026 講師たちのつぶやき

2026/08/10

【魚類:小野田幸生 元研究員】
魚とりは、いつでも魚との知恵比べで真剣勝負です。魚類のブースでは、魚の隠れ方などの習性をお伝えしたうえで、網の中に魚を追い込むコツを伝授しました。通常は、水際の植物に隠れた魚を追い込む「ガサガサ」が有効なのですが、石の多い今回の観察場所では石の下に隠れた魚を追い込む「クイクイ」で勝負する必要があります。
「クイクイ」は、以下の4つの合わせ技による漁法です:①石の下に空隙のある場所(=魚の隠れていそうな場所)を見つけ、②その下流側の川底に網を設置し、③狙いの石の上流側から足のつま先を入れてクイクイっと石を浮かせて、④石の下にいる魚を驚かせて下流側に逃げさせて、設置した網に追い込む。
今回の川遊びの会場は魚を捕りにくい場所で、最初は「1匹でも捕れれば良いかな~」と思っていました。ところが、皆さんたくさんの魚を捕っていて驚かされました。捕り方がわかると、空隙のある石を探すのも真剣そのもの。川底を見つめる子どもの参加者から「なかなか居そうな所が見つからない…」といった声も聞かれましたが、その気づきこそが、今回の魚とりの「裏テーマ」でした。
実は「矢作川研究所ならではの観察会」ということで、ダム下流(越戸公園横の矢作川)での魚とりを通じて、川底の様子を体感してもらえたらいいなぁと思っていました。大きめで、動かしにくい石が多い川底は、ダム下流の特徴の一つと言えます。魚とりに熱中しながら、そこに気づいてくれる子がいるなんて…!(アンケートでは、魚を捕った嬉しさについての声が目立っていましたが…)とっても嬉しかったです。


足先を上手に使って「クイクイ」だよ。

何か捕れるかな。

ヤッター! 大きな魚だよ!

 

【底生動物:白金晶子 研究員】
底生動物のブースではまず矢作川の川底の様子を感じて、そこに暮らす生き物に触れていただくため、川底から石を拾ってもらいました。みなさん「なんで石?」と感じたと思いますが、越戸ダム下流に位置する今回の場所は、ダムによって砂や石がせき止められてしまい、石畳のようなガチガチの川底になっていることをみなさんに肌で感じてもらいたかったのです。そして、なるべくたくさんの「何か」が付いている石をみなさん、選んで拾ってきてくださいました。
まずは最も目に付く「何か」は、口から出す糸で石と石をくっつけて作られたヒゲナガカワトビケラの巣であることを伝えようとしたところ、その巣から顔を出す幼虫が子ども達の目を引いてくれました。ヒゲナガトビケラやオオシマトビケラはダムから流れてくるプランクトンや有機物を網を張って集めて食べるため、ダム下流にたくさん生息し、これらのトビケラが巣を作ったり、網を張ったりすることで、川底はさらにガチガチになることをお話しました。また、石の裏に糸で強固にくっついている二枚貝のカワヒバリガイや、川岸をガサガサするとたくさん採れるカワリヌマエビ類など、多くの外来種がいることも知っていただきました。
参加者の中には生き物の名前をたくさん知っていて、いつも籠川で遊んでいるというお子さん達も参加されており、まだまだ「川ガキ」は不滅だ!と頼もしく感じました。今年は本当に「暑い!」中での川遊びでしたので、陸上で見守っている親御さんにも、なるべく川に入っていただくよう声をかけました。今後も遊ぶ場所、涼む場所として、多くのみなさんが川を楽しんでもらえることを願ってます。


川底から石を拾いました!

参加者が拾い上げた石。

それぞれの石に、たくさんのトビケラ類と巣が付いているの観察しました。

【藻類:内田朝子 研究員】
アユや底生動物にとってのご馳走は、石表面に生えている藻類です。私たち人間が畑で採れるトマトやキュウリを毎日「美味しい」と言って食べているのと同じです。藻類は河川水に含まれている栄養分を肥やしにしています。
藻類の話をする前に、水深や流速の測り方、透視度、CODのパックテストをしました。透視度の測定では、二重の十字がはっきり見える人とぼんやりしか見えない人がいる、つまり、調査する人によって差がでることを伝えました。矢作川のCODは2程度の色が示され、きれいな水質でした。
次に、矢作川に多く生えているカワシオグサを観察しながら、矢作川の川底の特徴についてお話をしました。川底の石は出水が起きると転がる、石同士がぶつかるなどします。その時、石の表面に生えていた藻類は石の動きで剥がされてしまいます。しばらくして水が退き、川底が落ち着くと、石表面に新しい藻類が生長するというサイクルを繰り返しています。矢作川のダム下流では、出水があっても、川底は安定していて、石が転がりにくい状態になっているので、生長に時間のかかるカワシオグサが生育しやすい環境だと考えられています。
参加者たちは、川底から拾った石の表面のヌルヌルを指先で触った後、ブラシで石をこすり、上から蒸留水をかけました。トレーに茶色の水がしたたり落ちる様子--藻類が石から剥がされ、水に混ざってこそげ落ちる--を観察しました。
藻類の観察ブースでは、藻類を採集するところまででした。是非、この夏、川で採集したサンプルを研究にお持ちください。一緒に「川の宝石である藻類」を顕微鏡でみてみましょう!


赤白ポールを使って水深を測る様子。

ピンポン玉を利用して流速を測る様子。

参加者は各自、ブラシで石の表面をゴシゴシして藻類を剥がした。


作成者:内田朝子
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