矢作川研究所日記

2025/11/30

下越戸水辺愛護会の活動に中学生が参加しました

2025年11月30日、矢作川の中流部の川辺を整備する「下越戸水辺愛護会」(会員28名)の活動に、地元の中学生団体「ジュニアクラブ」のメンバー12名と保護者5名が参加しました。その様子を、後日、会長の川崎学さんに伺いました。

当日は作業に先立って、中学生に対して活動の趣旨と「身近な自然を大切にしよう!」「地域の活動に参加してみよう!」「小さな行動が未来の環境を守る力になります!」というメッセージを伝えたそうです。その後、3年生がリーダーシップを発揮して、事前に伐採されていた竹や刈られた草を一輪車やリヤカーで集積場まで運びました。意欲的に活動する中学生の姿に触発され、愛護会の会員もより積極的に作業に取り組めたとのことでした。

中学生は「大変だったけど楽しかった」「こういう機会があったらまた参加したい」「(ふるまいで出た)豚汁がおいしかった」などの感想を述べたそうです。

本活動は、下越戸水辺愛護会の前身である「下越戸竹伐り隊」が活動をしていた2016年から毎年実施されており(コロナ禍の時期を除く)、継続して中学生が参加していた歴史があります。この実践は、多世代での、川の整備を通じた地域交流の好事例でもあると思います。


作業前に資料を用いて、愛護会の活動を紹介

竹や草を運んでいる様子

愛護会会員を含め34名という大勢で活動したそうです



2025/11/09

百々水辺愛護会の活動をトヨタ自動車寮生会が支援しました

トヨタ自動車に勤務し、寮生活をしている社員の皆さんで構成される寮生会は、有志による社会貢献活動を行っており、その一環として2022年から年に1回、百々水辺愛護会の活動を支援されています。今年の支援活動は11月9日(日)に実施されました。

当日はあいにくの雨天となってしまいましたが、それでも例年の半数ほど、約50人の寮生の皆さんが集まりました。まず水辺愛護会の今井会長からあいさつと感謝の言葉、活動の説明があり、続いて研究所の洲崎が河畔林についてのお話をしました。その後愛護会員と寮生の皆さんは4班の混成グループに分かれ、散策路沿いの竹の伐採と2mの長さの玉切り、運搬を行いました。

雨のため活動時間も短縮し、いつもの昼食会も残念ながらとりやめとなりましたが、配られた雨合羽を着て声を掛け合い、元気に活動する若者たちの姿に心励まされました。参加者には竹を伐るボランティアにやりがいや楽しさを感じる方が多く、この活動をきっかけに自身が住む寮の近くの川で護岸整備ボランティアを実行する人も出て来ているそうです(研究所ニュースレターRio No.234参照)。今度はぜひ、ヤブツバキが満開になる冬や、竹林の内外に野の花が咲き乱れる春の晴れた日に現地を訪れて頂きたいと思います。(洲崎燈子)


百々水辺愛護会 今井会長のあいさつ


雨の中でも元気に活動 



2025/10/09

令和7年度河川愛護活動視察研修会を実施しました!

2025年10月9日、水辺愛護会・河畔林愛護会の会員を対象とした「河川愛護活動視察研修会」があり、10団体19名が参加しました。この研修会は、河川環境を守る人材育成と矢作川の河川環境に関する見識を深めるために豊田市河川課と豊田市矢作川研究所が毎年開催しているものです。
今年度は、改めて川について学ぶためのダム見学と、ハチクの開花が見られる有間竹林愛護会の活動地訪問をすることになりました。

まず、矢作ダム管理所(国土交通省中部地方整備局矢作ダム管理所)を訪問しました。矢作ダムは豊田市と岐阜県恵那市の境界に位置する放物線アーチ式コンクリートダムで、高さ100m、堤頂長さ323m、今年は完成から54年となるそうです。

矢作ダム管理所では、矢作ダムの5つの役割(洪水調整・農業用水の補給・工業用水の補給・上水道用水の補給・発電)についてのビデオを視聴しました。その後、職員の方からフェンスや選択取水による濁水流出防止対策、25年前に発生した東海豪雨の被害とその後の対応などについて説明を受けました。また、この日見学できなかった堤体内トンネルの様子も画像で紹介して頂きました。参加者の皆さんからは揚水発電やダム湖内の堆砂の処理、ダム操作やダムの寿命、堤体内で貯蔵・熟成されている日本酒などについての質問が矢継ぎ早になされ、関心の高さがうかがえました。その後、ふだんは入れないダム操作室も見学させて頂きました。

次に、ダム管理所の入り口付近でダムの放流を見学しました。微細な水しぶきが見学場所まで届き、迫力がありました。その後、ダム湖面が見える位置に少しだけ移動して、洲崎研究員が2000年に起きた東海豪雨の被災について解説を行いました。山崩れにより、矢作ダムには約110万㎥の土砂(平年値の10年分)と、3万7千㎥(同40年分)の流木が流れ込み、流木は湖面を埋め尽くしました。しかしこれらの被害を繰り返さぬよう、合併前の豊田市が上流の水源林を“自分たちの手で”管理するスタンスをとるようになり、市民ボランティアによる人工林の間伐などの取組も活発化しました。最後に、洲崎研究員は「川を間近で見続けている水辺愛護会の皆さんに、魅力だけでなく脅威も含め、川の大切さを伝える“伝道師”役を担って頂きたい」という願いを述べました。


ダムの役割について学ぶ

放流を見学

ダム湖を見ながら東海豪雨についての話を聴く


旭地区の「しきしまの家」での地元産の米や野菜を使ったおいしいお昼をとった後、有間(あんま)竹林愛護会の活動地であるハチクの竹林を訪問しました。活動地の広場に行くと、これまでの活動紹介パネルがきれいに並んでいました。写真を多用したわかりやすいパネルに、参加者の皆さんは釘付けでした。

有間竹林愛護会の原田茂男会長からの活動報告では、竹が密生した状態から、まずは10年計画で間伐を進め、活動地を二分して5年ずつ整備したこと、その後一度活動の区切りをつけ、再度会員を募って再始動したこと、タケノコを水煮にして出荷したこと、地域の園児にタケノコ掘りに来てもらい、小学生には竹馬づくりなどを指導して交流したこと、学生や企業ボランティアを受け入れてきたことなどが紹介されました。地元の木材を使って、会員である棟梁が指揮して立派な「竹林ふれあいの小屋」も建築されています。
続いて洲崎研究員から、ハチクの生態についての解説がありました。ハチクは全国的に120年程度に一度と言われる開花時期を迎えて枯死(こし)しつつあり、有間竹林愛護会の活動地でも竹林全体が茶色に変色しています。洲崎研究員は、「この状況は大変残念なことですが、120年に一度の開花という神秘的な現象にめぐり合うことができたと捉え、その過程を見届けましょう」と呼びかけました。

参加者の皆さんからは、少人数で約6haの竹林の良好な景観を維持されてきたことへの感嘆やねぎらいの言葉、ハチクの生態に関する質問などが次々に上がりました。

研修を終えてのアンケートでは、「矢作ダムの役割、管理の重要性が良く分かった」「竹林(管理)の活動と竹の生命周期について、初めて聞くことが多く興味が持てました」などの回答をいただきました。
この研修会によって、川への理解が深まり、今後の水辺愛護会活動への活力のもととなることを願います。
(吉橋久美子・洲崎燈子)


竹林に設置された活動報告パネル

有間竹林愛護会の皆さん  

有間竹林愛護会のこれまでの活動を伺う

ハチクの生態について学ぶ  

花が咲き枯れつつある竹林



2025/05/10

広沢川猿投水辺愛護会が発足しました

2025年5月10日に、猿投町公民館で、猿投山を源流とする広沢川で草刈りなどの愛護活動を行う「広沢川猿投水辺愛護会」の設立総会が行われました。市内では26番目の水辺愛護会です。


広沢川では、これまでに共働による「ふるさとの川づくり事業(2020年度~2024年度)」が行われ、猿投町まちづくり協議会が中心になって、ワークショップや川遊び体験会などを行って広沢川の将来像を描いてきました(末尾のリンクも参照下さい)。

その結果、「人も生き物も生き生き 川暮らし」を合い言葉に、「子どもも大人も安心して遊べる、生き物がすみやすい川」を目指すことになりました。広沢川では浚渫(しゅんせつ…溜まりすぎた土砂を取り除く)工事や、自然石を使用した置き石、石組みなどにより、生き物のすみやすい川づくり工事も行われました。コンクリートで直線的な構造物をつくるのではなく、自然の素材を用いることで、景観を損なわず、水流の変化や隙間が生まれ、多様な生き物の生息環境がつくられていきます


ワークショップの様子


川遊びの様子


浚渫、置き石、石組みによる川づくり

源流の猿投山を背にした広沢川

今後、広沢川猿投水辺愛護会や地域の皆様の活動により、将来像が実現していく未来を楽しみに想像しています。(吉橋久美子)


広沢川ふるさとの川づくり事業関連 研究所日記
「ふるさとの川づくり」第二の川として、広沢川で活動が始まりました
広沢川ふるさとの川づくりワークショップ「川の思い出を語ろう!」を行いました。
広沢川で川づくり学習会(ふるさとの川づくり事業)
広沢川で川遊び!(ふるさとの川づくり事業)
広沢川で川づくり学習会(第2回)を行いました
広沢川で川づくり勉強会をしました





2025/04/27

越戸町で春の川辺の花観察会(第二弾)を行いました

4月27日に、矢作川中流の右岸、豊田市越戸町の下越戸水辺愛護会(以下愛護会)活動地と、隣接する「お釣土場水辺公園」で、第二弾となる「春の川辺の花観察会」を行い、愛護会の会員約15人が参加してくださいました。この観察会は、4月13日の観察会に参加した方の「自分たちの活動地でも実施してほしい」とのお声がけにより実現しました。

この日は竹林を伐り開いて明るくなった草地からお釣土場水辺公園の林内まで歩き、明るくて頻繁に草刈りや踏みつけを受ける草地と薄暗い林内、その二つの環境の移行帯で、短い距離でも生育する植物が変化するさまを観察することができました。移行帯の半日陰の環境では、クサノオウやツボスミレのお花畑を見ることができました。

愛護会会員の方々は、植物の名前や特徴、見分け方などを次々に研究員に質問し、楽しみながら観察をしていました。「意識せずにただ草刈りをしてしまっていたなあ」という発言も聞かれ、今後の植生管理にも話題が及びました。

植生管理については、研究員から「河畔林の構成樹種の稚樹があれば、伐ってしまわずにその成長を促し、木陰をつくって草の勢いを抑える」、「繁殖力の強い外来種を集中的に刈る」などの工夫により、草刈りの労力を減らすなどの提案をしました。今回の観察会が愛護会の皆さんの植物に対する関心を高めるきっかけとなり、今後の植生管理の工夫にもつながることを願っています。(吉橋久美子・洲崎燈子)


草刈り作業の後に観察開始


クサノオウを観察


足元のツボスミレにも目を向ける